は じ め に

2006年の春、世界自然遺産登録地・知床を中心とした海岸に、真っ黒な重油に汚染され無惨な姿となった、エトロフウミスズメやハシブトウミガラスなど多数の海鳥の死体が漂着しているのが見つかりました。その数、実に5,600羽(当会の集計による)。
この未曾有の惨事を受け、「オホーツク海沿岸全域での漂着調査が必要」との声が強まり、全道から多くのボランティアが集まって調査が実施されました。この動きはオホーツクのみならず、稚内から根釧地域にも広がり、最終的には185名もの人々が参加しての「道東・道北海岸一斉調査」という、これまでにない、非常にスケールの大きなものとなりました。

数多くの有志が集ったこの調査によって様々な情報が得られましたが、5,600もの命が、いつ、どこで、どうして奪われることとなったのか、その解明には至らず、残念ながらいまだ「原因不明」とされています。
しかしながら、この調査は決して無駄ではありませんでした。今回の調査をきっかけに、油流出事故発生などの緊急時はもちろん、何より「平時のデータをしっかりと取っておく」ことの重要性についての理解が深まりました。そして、「これを続けよう」という声が自然発生的に沸き上がったのです。
この「海岸調査」は、体制や方法を現実に即した無理のないものに修正しながら、毎年続けて実施してきました。道内全域を調査対象とし、各地の有志が力を結集し、貴重なデータが収集されました。

この海岸調査は実施主体を変更しながら2016年までの10年間実施したところで終了となりました。今後、当支部でのとりまとめは行いませんが、各地域にお住まいの有志の方々による活動は継続されていくものと期待しております。最終年となりました2016年の「調査要領」等の資料を引き続き掲示しておきますので、参考にして頂ければと思います。

 

基 本 的 な 考 え 方

※以下は2016年実施時のご案内です。現在は実施しておりませんのでご注意下さい。
《身近な海と海鳥のために》
当初は知床の件があったため、オホーツク沿岸域全体を調査することを一義的な目標として遠路はるばる集まって頂きましたが、現在は「地元の海は地元住民が守る」ことをテーマに、それぞれ自分の地域や、思い入れのある海岸を見回って頂いています。対象は、「北海道全域」とします。なお、油汚染問題は必ずしも海域に限ったことではありませんが、この調査は対象を海岸に絞らせて頂きます。ご了承下さい。
《実施内容は各自が決める》
基本的な調査方法や、調査に使用する野帳や図面等は統一しますが、「いつ、どこで、誰が・・・」といった基本的な事項については、参加者ご自身で自由に設定して頂くこととしました。こちら側で調整は致しません。「一斉調査日」は特に設けません。各自、4月1日〜5月31日までの2ヶ月間に1回以上実施して頂ければ結構です(複数回でももちろん歓迎)。
《バードウォッチャーによる調査》
当初は「可能な方のみ」沿岸性鳥類のカウント調査を行って頂きましたが、現在は「カウント調査は原則実施」としています。このため、複数人で実施される場合は、必ず中に1人は野鳥観察経験者(基本的な海鳥の識別ができる人)が加わるようにして下さい。お一人で実施される場合は、ご本人が野鳥観察経験者であることが前提となります。未経験者の方は、経験者の方と一緒に調査して下さい。経験者の方も、野外識別だけでなく、落ちている羽や骨から種の同定ができるようになる・・・など、目標を高く設定し、実習を兼ねた場としてさらなるスキル向上に努めて下さい。もちろん、野外識別力の向上は、海岸調査の精度向上に直接的に寄与すると考えておりますので、より高い識別力を獲得できるよう、各自積極的に取り組んでください。毎年このような調査を続けることで、ゆくゆくは海岸調査のエキスパートが道内各地にいるという状況を目指したいと思っています。お互い、頑張りましょう。

調 査 方 法


<まず、調査要領をご確認下さい>

【2016年版:調査要領(PDFファイル:207KB)】

PDFファイルを読むための最新版READERは以下からダウンロードできます

 <図面や野帳の記入例>

下の記入例を参考にして下さい。
それぞれ、画像をクリックすると拡大版が開きます。
  
<調査図面(地図)>

【北海道立総合研究機構:地質研究所】
ページ下部にある、「PDF版北海道海岸環境情報図ver.1.06(32.9MB)」をダウンロードして、調査に必要な箇所の図面をプリントアウトしてご使用下さい。

国土地理院発行の1/25,000や1/50,000地形図、または環境省(環境庁)発行の「自然環境保全基礎調査用メッシュマップ(1/50,000)」などを適宜利用して頂いても結構です。


以下のサイトから、調査地域の地図をプリントアウトして頂くことも可能です。
【地理院地図(電子国土Web)】

調査図面はデータ提出の際に必ず添付して下さい。


【図面記入例】

 <調査野帳(記録用紙)>


【PDFファイル(636KB)】

【エクセル(xls)ファイル(27KB)】

電子メールにて結果報告される場合は、エクセルのファイルに必要事項をご記入(現場野帳から転記)の上、送信してください。

調査時に使用した記入済み野帳をスキャン(あるいはデジタルカメラで撮影)するなどしてデジタルデータ化したものをお送りいただいて構いませんが、隅々まで鮮明なものをお送りください。




【野帳記入例】


<撮影例>

海鳥の死体等の漂着物を発見した場合は、以下のように様々な角度で撮影して下さい。
クリックすると大きな画像が表示されます。
【撮影例:1】
【撮影例:2】
【撮影例:3】
【撮影例:4】

<注意事項>
  • 調査結果は5月末日までに必ずお送り下さい。やむを得ない事情で遅れる場合はその旨ご連絡下さい。ご協力をお願い致します。
  • 当会では調査に関する様々な事前調整・連絡等は原則として行いません。各自、事故等のないよう、くれぐれも注意して調査を実施してください。
  • 調査に関わる一切の責任は調査者各自にあります。万一、事故や不都合等があっても当方では責任は負えませんので、あらかじめご了承下さい。
  • 鳥インフルエンザ等の感染症の拡散防止のため、漂着死体の回収等は当面行いません。ご注意下さい。また、死体を発見した際の対応等は「調査要領」に記載してありますので、ご参照ください。

各種資料/リンク

【2006年4月9日オホーツク海岸一斉調査】
(PDFファイル 15.5MB)

【北海道一斉海岸調査2007】
(PDFファイル 9.41MB)

【北海道一斉海岸調査2008】
(PDFファイル 28MB)

【北海道一斉海岸調査2009】
(PDFファイル 1.74MB)
【北海道一斉海岸調査2010】
(PDFファイル 6.21MB)
【北海道一斉海岸調査2011】
(PDFファイル 3.19MB)
【北海道一斉海岸調査2012】
(PDFファイル 3.01MB)
【北海道一斉海岸調査2013】
(PDFファイル 19MB)
【北海道一斉海岸調査2014
(PDFファイル  6.98MB)
【北海道一斉海岸調査2015】
(PDFファイル 7.24MB)
【北海道一斉海岸調査2016】
(PDFファイル 6.84MB)
2006年春に発生した
北海道オホーツク海沿岸部における
油汚染海鳥大量漂着事件の概要
(PDFファイル 2.20MB)
   
 当支部が独自に鑑定を依頼した
米国カリフォルニア州政府機関(OSPR)による
知床に漂着した油の鑑定結果

(PDFファイル 1.69MB)
     

日本野鳥の会オホーツク支部:油汚染問題専用ブログ
2006年春、知床の事件をきっかけに立ち上げたブログです。私どもの様々な活動や国内の油流出事故等について、情報を発信し続けています。
知床半島沿岸・油汚染海鳥漂着の経過について
斜里町が2006年の事件について情報をまとめているページです。
OSPR
知床に漂着した油の成分を無償で分析してくれた米国カリフォルニア州政府の機関です。
OWCN
上記OSPRへ仲介していただいた米国のネットワークです。
「油汚染等の海洋生態系への影響評価につながる海域−陸域統合型GISの構築」についての情報
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 地質研究所
日本生態学会第56回大会講演要旨
NPO法人エンヴィジョン環境保全事務所