北見市常呂と網走市能取にまたがる丘陵地帯で、(株)ユーラスエナジーホールディングスによる風力発電事業が計画されています。
この事業に関しての 環境影響評価の方法をまとめた「環境影響評価方法書」の縦覧が次の四ヶ所で始まっています。
【縦覧場所】
・北見市役所第一分庁舎2階産業連携推進課
・北見市 常呂総合支所産業課
・網走市役所生活環境課
・西網走コミュニティセンター
【期間】
2012年3月28日~4月27日
【意見書受付期間】
2012年3月28 日~5月11日(必着)
風力発電や太陽光発電に代表される自然エネルギーは「環境に優しい」の合い言葉の元、福島の原発事故の影響もあって積極的な導入が進められつつあります。自然エネルギーの積極的な導入には私どもとしても、もちろん賛成です。ただし、残念ながらこと風力発電に関して言えば、現在主力となっている大型のプロペラ型風車は野鳥やコウモリ等の飛翔性動物に対する危険性が高く、事実、これまでに多数のオジロワシなどがプロペラに切断された無惨な死体を晒す結果となっています。人間が使うエネルギーを生み出すために、野生動物の犠牲には目をつぶる。はたして、これが本当に「環境に優しい」と言えるでしょうか。より安全な方法や技術を追求していくべきではないでしょうか。
以下に、公益財団法人日本野鳥の会(本部)の見解を公式Webサイトから引用します。
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『風力発電は、地球温暖化対策のための有力な自然エネルギー源として世界各国で導入が進められており、日本でも政府による導入推進策がとられています。しかし、立地条件によっては絶滅危惧種の野鳥の衝突事故といった環境影響が生じることが報告されており、生物多様性の保全と調和のとれた風力発電の導入を図ることが世界的な課題となっています。
当会は、できるだけ早急に地球温暖化対策を施さなければ、将来的に多くの生物の生命を危険に晒し、広範に生物多様性が失われてしまうことになると考えています。そのため、代替エネルギーとして実用的な技術レベルに達している風力発電を、積極的に導入していくことに賛成しています。ただし、風力発電の導入にあたり、野鳥など野生生物の生息に悪影響を及ぼすといった、現在の生物多様性に大きな影響を与えるのは、本末転倒と考えています。そのため、2001年以来、自然環境や鳥類への環境影響を評価し、悪影響を回避、最小化するための制度と方法論を確立するための政策提案活動を行ってきました。また科学的視点から野鳥に悪影響があると考えられる風力発電の導入については、設置反対の姿勢をとっています。』
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当支部としましても風力発電など自然エネルギーの導入自体には賛成するものの、事業化にあたっては「適切かつ徹底した環境影響評価」を実施した上で、地域の野鳥をはじめとした生物群やその多様性に悪影響を与えないよう「慎重かつ十分な配慮」を強く要望していきたいと考えております。
多くの方にこの問題に関心を持って頂き、またできることならば私どもの主張に賛同・協調して頂ければ幸いに思います。
我がオホーツクは「生物の命と多様性を尊重した、本当の意味で環境に優しい自然エネルギー」を追求する地域であって欲しいと願っています。
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