フルマカモメ
Northern Fulmar   Fulmarus glacialis


写真1
2006年10月9日 斜里漁港 暗色型 (撮影:なべよしさん)
衰弱していた個体。独特な形の嘴と、彫りの深い目元に注目.
写真2
2006年10月10日 斜里漁港 暗色型 (撮影:なべよしさん)
写真1とは別個体。小清水町で保護したあと、斜里漁港にて放鳥した際の写真.
写真3
2006年10月10日 斜里漁港 淡色型 (撮影:なべよしさん)
斜里町で保護され、放鳥する際の写真.
写真4
データは写真3に同じ
翼は他のミズナギドリ類よりも幅広で短め.
写真5
2007年10月16日 紋別港 幼羽? (撮影:ゆきさん)
全体に磨耗がほとんど見られず、やや淡色の羽縁がある.
写真6
2006年7月8日 網走沖 暗色型(奥)と中間型(手前) (撮影:ゆきさん)
遊漁船にしばしば近寄ってくる.
写真7
データは写真6に同じ(奥は能取岬)
長さの割に幅広の翼.初列風切部の淡色斑に注目.


体長49cm 翼開長107cm ウミネコ(Larus crassirostris)大でずんぐりとした体型のミズナギドリ類 
オホーツク圏では流氷接岸期を除いてほぼ一年中沖合海上に分布し、特に夏に多い。岸から見られることもあるほか、低気圧の通過後に飛ばされたものが内陸で保護される例もしばしばある。
暗色型から淡色型、それらの中間型や、全体的に白っぽい白色型などいくつかのタイプがあるが、暗色型から中間型を見る機会が最も多い。独特の形の嘴や彫りの深い目元を確認できれば識別は容易。飛翔時には初列風切の上面の羽軸が白く、遠目には淡色斑があるように見えるのが特徴。ハシボソミズナギドリ(Puffinus tenuirostris)やハイイロミズナギドリ(P.griseus)など他のミズナギドリ類と比較すると、翼はより幅広で短く、体が太くて羽ばたきが多い。大型カモメ類は嘴が細く、羽ばたきが比較的多くてやや重そうに飛ぶ。オオトウゾクカモメ(Catharacta maccormicki)はよりがっしりとした体型で嘴が黒くて長く、初列風切の淡色斑はより白っぽくて明瞭。

参考文献
「北海道野鳥図鑑(河井大輔、川崎康弘、島田明英)」亜璃西社 2003
「決定版日本の野鳥590(真木広造、大西敏一)」平凡社 2000
「The Sibley Guide to Birds(David Allen Sibleyl)」National Audubon Society 2000