ハイイロヒレアシシギ
Red Phalarope   Phalaropus fulicaria


写真1
2005年8月6日 釧路沖 夏羽→冬羽 (撮影:ゆきさん)
割合がっしりとした体つきで頸が太く、嘴は太めで基部が黄色い.
写真2
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左上の個体の頸には赤褐色の夏羽が残っている.冬羽の上面の軸斑はあまり目立たない.


体長21cm 翼開長37-43cm アカエリヒレアシシギ(Phalaropus lobatus)よりもやや大きい
オホーツク圏では数少ない旅鳥として主に秋、沿岸海上に渡来するが、海上での詳しい分布状況は不明。通常は沖合におり、低気圧通過時(後)などに港湾内や海に近い湖沼に避難してきた単独から数羽の少群を見る機会が多い。本種やアカエリヒレアシシギなどヒレアシシギの仲間は一妻多夫で、♀の方が派手な生殖羽(夏羽)をまとい、子育てはもっぱら♂が行うという習性を持っている。
アカエリヒレアシシギはやや小さくて全体的に細身の体型で、特に頸が細く見える。嘴は針のように細く、黒い。夏羽は全体的に黒っぽく、赤いのは首回り(襟)だけ(本種は頸からの体下面全体が赤い)。冬羽は似るが、肩羽の軸斑が黒っぽく、より目立つ。

参考文献
「北海道野鳥図鑑(河井大輔、川崎康弘、島田明英)」亜璃西社 2003
「決定版日本の野鳥590(真木広造、大西敏一)」平凡社 2000
「シギ・チドリ類ハンドブック(氏原巨雄、氏原道昭)」文一総合出版 2004
「日本の鳥550水辺の鳥増補改訂版(桐原政志、山形則男、吉野俊幸)」文一総合出版 2009
「Birds of East Asia(Mark Brazil)」Christopher Helm 2009