ホトトギス
Lesser Cuckoo   Cuculus poliocephalus




体長28cm カッコウ(Cuculus canorus)より小さい
オホーツク圏ではまれな夏鳥または旅鳥として渡来し、各地の山林や原野などで散発的な記録がある。確実なものとしては過去1例[1997年6月12日/置戸町南ヶ丘/1羽]の記録が報告されている。鳴き声を聞いた例が多いものの、これまでの多くはエゾセンニュウ(Locustella fasciolata)との誤認もしくはその可能性が高いと考えられ、間違いなく本種と考えられる例は数少ない。本種は主にウグイス(Cettia diphone)に托卵し、赤い卵を産む。下湧別でベニマシコ(Uragus sibiricus)に托卵した古い記録があるが、これは赤い卵の色から本種と推定されたもので、北海道ではツツドリ(C.saturatus)も赤い卵を産む場合があることが明らかとなったため、現在では疑問視されている。ただし、これまで分布していなかった十勝南部などで近年鳴き声が聞かれるようになってきており、分布域がオホーツク圏まで今後広がる可能性も十分にあるものと思われる。
本種は“キョッキョッキョキョキョキョ”という声で鳴く。テンポは速く、同じフレーズを何度も繰り返すが、徐々に声のトーンが下がっていく。「特許許可局」と聞きなされる。エゾセンニュウのさえずりは“チョッ、ピン、チョ、チョチョチョチョ”で、テンポはやや遅く、“チョッ、ピン”や、“チョッ、ピン、チョ”の部分だけを何度か繰り返すこともある。北海道では「ジョッピン(錠前)かけたか」と聞きなされる。カッコウやツツドリは大きくて上面の色はより淡く、腹の縞はより細くて本数が多い(本種は太くてまばら)。本種は瞳孔が大きく、目が暗色に見える。

参考文献
「北海道野鳥図鑑(河井大輔、川崎康弘、島田明英)」亜璃西社 2003
「決定版日本の野鳥590(真木広造、大西敏一)」平凡社 2000
「Birds of East Asia(Mark Brazil)」Christopher Helm 2009