シロカモメ
Larus hyperboreus

オホーツク圏には冬鳥として多数飛来しますが、まれに夏に見られることもあります。
成鳥は背と翼が淡い灰色で、翼の先は白く、
他の大型カモメのような「黒や灰色の地に白い斑点が出る」という特徴がありません。
平均して大きな個体が多く、最も大きなものはオオセグロカモメより一回り以上も大きいのですが、
オオセグロカモメと同大か、やや小さい個体もいるので注意が必要です。
斜里漁港などでは、冬の初めは大型の個体が多いのですが、
流氷接岸期には小型の個体が多くなる傾向があります。
こういった小型の個体のうち、亜種barrovianusと思われるものも少なくありません。
大型カモメはとにかく個体差が大きく、雑種なども生じるため、図鑑どおりではない個体も多くいます。



成鳥冬羽(頭部などに褐色斑が出る。この個体はオオセグロカモメ大と小さめで翼が長く、
嘴は短めで頭部の丸みが強いため、亜種barrovianusと思われる) 2001.01.14 斜里漁港




成鳥冬羽(一般的な個体と比べて頭が丸く、嘴も短めではあるが、頭が大きいこと、
初列風切の突出量が少ないことから本種と分かる。
この個体は翼が短いので、亜種barrovianusというよりは亜種pallidissimusの♀かも知れない)
2002.12.01 斜里漁港(撮影:ふうこさん)




第1回冬羽(全身が淡褐色、嘴はピンクで先端だけくっきりと黒い) 2001.02.05 斜里漁港





第1回冬羽後期(羽の摩耗により褐色の斑が消え、全身真っ白に見えるようになる。
摩耗の進行具合は個体によってかなり差がある) 2003.02.01 斜里漁港




第2回冬羽(第1回冬羽に似るが、虹彩が淡色となり、背に成鳥と同じ色の羽が出る)
2003.02.01 斜里漁港



第3回冬羽(成鳥冬羽に似るが、嘴先端に黒い斑があり、上面に白や褐色の羽が混じる)
2003.02.01 斜里漁港