2010年4月17日、小清水町浜小清水海岸にて、海岸調査講習会を実施しました。【海岸調査2010】に合わせて今年度から始めたイベントですが、網走市や小清水町、斜里町をはじめ、北見市、紋別市、遠軽町、津別町などオホーツク各地から総勢16名の参加者が集まり、この問題への関心の高さが窺えました。
今回の講習会は浜小清水キャンプ場前浜から小清水原生花園前浜までの約3km区間を実際に参加者全員で歩いて調査をしながら、調査方法や漂着物の探し方、発見した際の対応などについて、経験者が適宜解説を行うというスタイルで実施しました。
まず、8:30に浜小清水の道の駅「はなやか小清水」に集合し、参加者全員に資料を配付して簡単な挨拶と講習会の流れについて、また何故このような調査を行うようになったか、2006年春の知床の事件についての概略説明を行ったあと、8:56より、調査を開始しました。
調査結果は以下の通りです。
[始点でのカウント結果]大型カモメ類6羽、ウ類1羽、ホオジロガモ1羽、トビ1羽
[油関係漂着物]油が付着したシロカモメの羽×2点(サンプルNo.1-2として回収・保存)、油が付着した種不明鳥類の羽×1点、油が付着したミツユビカモメ の風切羽×1点、油付着ビニールゴミ×1点、油の塊(小)×1点、油付着ロープ×1点、=計7点(全て回収、サンプル1-2以外は処分)
[その他の漂着物]ドラム缶×1、オイル缶×1、(いずれも空で、油の付着や漏れは確認されず)
[終点でのカウント結果]オオセグロ カモメ1羽、ハシブトガラス1羽、ハシボソガラス1羽、シロチドリ2羽、ウミアイサ9羽、シロカモメ1羽
11:57、開始からちょうど3時間後に終点である小清水原生花園前浜に到着し、あらかじめ置いておいた車数台に分乗して道の駅まで戻り、解散となりました。
はじめての試みでしたが、特に事故なく終えることができ、まずは何よりと思っています。参加者の皆様、大変お疲れさまでした。
油付きの漂着物が多く見つかったことは残念ではありますが、これが現実であり、実際の対応などについてご説明できたことは今後に大いに活きてくると思います。
参加者の方々は調査しながら流木や貝殻を拾ったり、アビ類やカモメ類といった海鳥類各種の羽を拾ったりと、それぞれ楽しまれていたようです。このような「調査」は続けることが大切ですが、楽しくなければ続きません。自分なりの楽しさを見いだして、今後自分のフィールドで「調査」を実施していただければと思います。2006年春のような事件が再び起こらないことを祈る限りですが、原因究明できなかった以上、いつまた・・・という不安感は拭えません。いざ、ことが起こった場合にジタバタしないよう、このような講習会を続けて現場で冷静に対応できる仲間を少しずつ増やしていきたいと思っています。今後も応援のほど、よろしくお願い致します。
なお、今回非常に好評だったことから、夏場にも同じような講習会を実施することに決めました。8月上旬になると思います。決定次第、ご案内致します。
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