2013年5月18日12:00~15:00(おおむね) 網走沖
写真家の宮本昌幸さんにお誘い頂き、10名のメンバーで「あばしりネイチャークルーズ」に乗船してきました。
いつも海岸から眺めているだけでも圧倒されるハシボソミズナギドリの群れですが、やはり沖で間近に見ると迫力がまるで違います。
その数、ざっと数万。さすがのヤチョーノカイでも数が多すぎて思考停止です。数えろと言われても無理です。この海域全体では優に10万を越えるでしょう。あまりの数に水平線が黒く盛り上がり、まるで島のように見えるほど。まさに「黒山の鳥だかり」状態です。
その数万のミズナギドリたちがじわじわと動き出す際の迫力といったら、もう・・・。海面を助走する「バチャバチャ」という音、その飛沫。まるでオホーツク海が沸騰しているかのようです。
ミズナギドリの群れの周りには、ミンククジラやイシイルカ、ネズミイルカといった鯨類も少なからず見られました。クジラのことを知り尽くしている前田船長の確実な導きによって、何度も何度も、驚くほど間近でその姿を堪能できました。
鳥ではハシボソミズナギドリのほかに、アカエリヒレアシシギが多く見られました。沖のブイの周りに降りて採餌している群れを発見すると、静かに近寄り、停船します。すると、彼らは逃げません。本当に目の前で、忙しく餌を食べたり、羽づくろいをする様子が観察できるのです。「チュイチュイ」という彼らの小さなつぶやきもよく聞こえました。
アカエリヒレアシシギの群れの中に、綺麗なハイイロヒレアシシギの♀夏羽が1羽混じっているところも観察できました。アカエリよりひと回り大きく、よりがっしりとした体型で、嘴も太めです。
ウトウもちらほら見かけました。夏羽の個体と冬羽の個体がちょうど入り交じっていて、比較することもできました。
全般を通して印象的だったのは、「鳥や鯨類に対する優しさ」でした。海上で休息中の鳥にあまりプレッシャーをかけないよう、ゆっくりと接近したり、時には停船し、エンジンを切るなどの配慮がありました。クジラ類も一方的に追い回すようなことはせず、待ったり、近づいたり、離れたり、相手の様子を見ながらの操船には前田船長の「余裕」すら感じました。
網走市街のすぐ沖で、こんなダイナミックな光景が見られるというのはとても素晴らしいことです。今後も折々の季節に是非乗船したいと思いました。支部としても定例探鳥会を企画したいと思っています。
最後になりましたが、お誘い頂いた宮本昌幸さん、素晴らしい操船技術で堪能させてくれた前田船長、この航路の素晴らしさを色々と教えてくれた金杉さん、そして同乗の皆さんに御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
ちなみに、山旅ロガーで落とした今回の航路です↓
【確認種】オカヨシガモ、ヒドリガモ、コガモ、キンクロハジロ、スズガモ、カワアイサ、ウミアイサ、シロエリオオハム、オオハム、ハイイロミズナギドリ(ごく少数と思われました)、ハシボソミズナギドリ、ヒメウ、カワウ、ウミウ、キアシシギ、アカエリヒレアシシギ、ハイイロヒレアシシギ(♀夏羽1羽)、ユリカモメ、ウミネコ、オオセグロカモメ、アジサシ、トウゾクカモメ、ケイマフリ(1羽)、ウミスズメ(恐らく1羽)、ウトウ、キクイタダキ(1羽・海上を飛翔)、ウソ(1羽・海上を飛翔)、以上27種(出・寄港時の網走港内での確認も含む)
さらにちなみに、あまり参考にはならないかも知れませんが、こんな動画もアップしておきました。近い、というのはおわかり頂けるかなと思います↓
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