2015年11月14日
あばしり海鳥クルーズ
網走市の道の駅前から出港している「あばしりネイチャークルーズ(チパシリ号:前田船長)」は10月31日で今季の営業を終えられましたが、冬の海鳥が面白くなってくるのはまさにこれから。
ということで前田船長と網走市観光協会様にご相談し、特別に調査クルーズとして11月中に3回のクルーズを企画させていただきました。
14日はその一回目となります。
9時に網走港を出港し、洋上を群れでどんどん渡っていくシロエリオオハムやオオハム、沖合を高速でかっ飛んでいくオオワシ、ところどころに単独から数羽で浮かんでいるウミガラス類・・・などを観察しながら沖へ向かいました。いつもの探鯨クルーズとは違ってゆっくりとした速度で航行し、時々停船しては近くに浮かぶ鳥を観察・・・というスタイルをとりました。
網走沖13kmを航行中、感動の出会いがありました。ツノメドリが現れたのです。それも成鳥冬羽と幼鳥の2羽。船長の巧みな操船技術で順光状態をなるべく保ちつつ、ほとんど停船状態で観察していると、まったく逃げずに間近でじっくりと観察することができました。皆、堪能したところでツノメドリに別れを告げてさらに船を進めると、今度はなんとエトピリカ。こちらもツノメドリと同じように、追いかけずに停船状態をなるべく保つことでじっくりと観察できました。1羽目のあと、すぐにまた違う個体に出会うこともでき、エトピリカも2羽いたことが確認できました。
2羽目のエトピリカを堪能したところで風がやや強くなってきたため、船長の判断で戻ることに。途中、シロエリオオハムやハイイロミズナギドリが船の周りを囲むような状態となり「鳥が増えたな・・・」と感じた矢先、船長による「カマイルカ発見!」のアナウンスが。こうなると、鯨類を知り尽くした船長の操船技術が一層光ります。約300頭の群れが船を囲むように併走し、目の前で時折ジャンプする様はまさに圧巻。大満足の航海となりました。
この時期の網走沖にどんな海鳥が来ているのか、これまでは岸からの観察しかできなかったため、どうしても把握するには限界がありましたが、今回のクルーズではツノメドリやエトピリカが複数羽観察されるなど、興味深い結果が得られました。今は鳥がどんどん動く時期ですので、来週、再来週では今回とまた違った状況になっているのではと思います。ツノメドリやエトピリカが継続して観察されるか、そして他には何が見られるのか、期待しながら次の日を待とうと思います(今後は21日と29日に予定しています)。
最後になりましたが、前田船長、そして網走市観光協会の皆さま、取材していただいたマスコミ各社の皆さま、どうもありがとうございました。
なお、本クルーズに関するお問合せは、管理人(webmaster@wbsj-okhotsk.org)までお願い致します。
【確認種】キンクロハジロ、スズガモ、シノリガモ、クロガモ、ホオジロガモ、ウミアイサ、アカエリカイツブリ、アビ、オオハム、シロエリオオハム、フルマカモメ、ハイイロミズナギドリ、ハシボソミズナギドリ、ヒメウ、ウミウ、カワウ、オオバン1羽、ミツユビカモメ、ユリカモメ、ウミネコ、カモメ、ワシカモメ、シロカモメ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、トウゾクカモメ、ハシブトウミガラス、ウミガラス、ウミスズメ、ウトウ、ツノメドリ(成鳥冬羽1羽、幼鳥1羽)、エトピリカ(若鳥2羽)、トビ、オジロワシ、オオワシ、ハイタカ、ハシブトガラス、スズメ(以上38種類)
【参加者】11名
21日、29日のクルーズは残念ながら時化のため中止となりました。
今回は全3回中、1回しか沖に出られませんでしたが、この時期はどうしても荒れることが多いので致し方ありませんね。
この時期の網走沖ではエトピリカやツノメドリが見られる可能性が示唆されましたので、また来年も前田船長や網走市観光協会様のご協力を頂きながら企画したいと思います。どうぞご期待下さい。
コメント Webmaster
2015年11月29日 12:41 PM